介護タクシーのサービス内容に関して

   


これまでは、介護タクシーの独立支援をしていることもあって、記事の中で介護タクシー事業者としての独立方法や、なってからの収入面のことをメインに話してきましたが、介護タクシー事業者になったら実際どのようなことをすればいいのか、またサービス内容と言ったこれまであまり書いてこなかったことを紹介します。

なお、これまで書いた記事で今回の記事と平行して読んでいただきたいものを3記事リンクさせていただいています。

介護タクシー開業までの手順、実際に僕の出した売上、そして独立に関してそんなにハードルが高くないと言った内容を書いているので、ぜひ読んでいただければと思います。

どんなサービスを提供すればいいの?

ここでは介護タクシーにはどんなサービスがあるのか紹介していきます。介護タクシーというと、老人ホームと言った施設への送迎をイメージするかもしれませんが、実際のところ、主となる送迎は「病院への通院、転院、入退院」です。次いで施設への入退所のための送迎があると言った感じでしょう。また、長期間、入院されている方の息抜きとして自宅へ一時帰宅するときにも使っていただくことがあります。
そして、観光葬祭や娯楽、買い物では、単に送迎するだけでなく、時には一緒に同行し、買い物に付き合ったり、行きたいところへ車椅子を押して行ったりもします。

このように介護タクシーには様々な使い道があり、それを上手く利用者さんにわかるように告知することが大切だと思います。

  • 病院への通院、転院、入退院
  • 施設への送迎
  • 自宅へ一時帰宅
  • 冠婚葬祭
  • 娯楽や買い物

1.病院への通院、転院、入退院

先ほども書きましたが、介護タクシーの依頼で一番多いのは「病院への通院、転院、入退院」です。割合で言うと、7割〜8割は病院関係の搬送です。その中でも特に「自宅から病院」と言った通院依頼が多いです。自宅からの通院ということは、部屋の中に入り、介助をすることが頻繁にあります。また、良い条件の家ばかりではなく、段差がたくさんあったり、ストレッチャーが中に入れない場合、要介護者の方が2階におられることもあります。そういった時のために、様々な資器材の導入はもちろん、電話依頼をされた時に出来るだけ情報収集をしておいたほうが良いでしょう。その際に、介助を一緒に手伝ってくれる人がいるか確認をすることを忘れずにしておいてください。

以前、大変だった現場があるので、それを記事に書いています。良ければ参考にしてください。

寝たきりの方の階段介助ってどうされます?〜介護タクシーの現場より〜

また、転院に関してですが、転院とは病院から病院へ移るということです。したがって、病院の部屋にいるので担当の看護師さんなどが一緒に介助をしてくれたり、場合によっては全て看護師さんで介助をしてくれることがあります。もちろん、看護師さんが一切手を出さずに介護タクシーの運転手が一人で介助をする場合もありますが、自宅からの搬送とは違い、困ったらプロが手伝ってくれるという点では少しだけ安心できます。

2.施設への送迎

施設と書いてありますが、施設には色々な種類があります。病院に併設または同じ建物内にある「介護老人保健施設」、俗に言う「老健」と言われる施設、また、デイサービス、グループホーム、特別養護老人ホームなどが施設といい方をされます。

デイサービスや老健、特養の短期入所の方でしたら、基本的には施設が送迎をされます。しかし、稀にあるのは、その施設で体調を崩されて、急遽病院に行かなければいけないこともあります。ここでも基本的には施設の方が介助をしてくれることが多いです。

また、インフルエンザ、風邪等が流行している時には、玄関口で自社の車椅子やストレッチャーを施設の職員さんに渡して、渡した車椅子等に要介護者さんを乗せて出てこられることもあります。

3.自宅への一時帰宅

この依頼ほど嬉しいものはなく、逆にこの依頼ほど辛いものはありません。長期にわたって入院、入所をしていると、利用者さんの体の状態が良ければ一時帰宅をすることが許可されることがあります。そして、数日すれば、また病院や施設へ帰られます。ですから、基本的にはこの依頼が入ると、往復になることが多いです。

以前あった搬送事例として、「今しか生きて家に帰ることができないので、亡くなる前に最期に一度帰宅をさせたい」という家族からの要望がありました。こういった依頼は年に何度かあります。
最悪の場合、家で看取るつもりで帰宅されるのですが、この搬送はとても緊張します。何故なら、体調が急変する可能性もあるからです。
ただ、その方が生きている時に最期に乗った自動車が自社の介護タクシーだったという点ではとても名誉なことだと思えます。

利用者さんのご家族から感謝の言葉☆介護タクシーの現場から

4.冠婚葬祭

この依頼は年に何回もありません。以前、冠婚葬祭を狙った広告を作ったことがありますが、集客はそこまで結果として出ませんでした。まず、寝たきりの人は冠婚葬祭に出席されることはほぼないと言えるでしょう。実際の話、当社ではそういった人を冠婚葬祭で搬送したことがありません。

あるとするば、車椅子の方です。ですから、基本的には、この搬送依頼の方は車椅子の方で、体調もそこそこ良好だという人と言えるでしょう。
冠婚葬祭の依頼時は、付き添いをすることもあります。また、食事などが出来ない利用者さんもおられるため、披露宴には出席をせず、式だけの参加というケースもあります。

5.娯楽や買い物

こちらも寝たきりの方はほぼ搬送したケースがありません。やはり、車椅子の方です。中には電動車椅子の方もおられます。(その場合は特殊な固定金具が必要になってきます)

これまであった娯楽は食事に行ったり、写真展を見にいったり、また地域のイベントなどに行くといった感じです。買い物にかんしては、よくあることではありません。何故なら、品物の購入金額より介護タクシーの費用のほうが上になることがあるからです。ただ、普段、全く買い物に行けない人からすると買い物に行き、自分で商品を選択し、購入するということは楽しみの一つでもあるようです。このような依頼があった場合には、あらかじめそのお店に目的の品物があるかどうかを少し確認しておくといいかもしれません。

介護タクシーのお客さんはインクが欲しいのではなく、インクを買う体験がしたいのです。

送迎だけが仕事じゃない!

これまで介護タクシーの業務内容を5つ紹介してきました。

介護タクシー=施設の送迎だけではなく、色々なところへの搬送ということがわかったと思います。そして、場所だけでなく、用途でも様々です。

今回の記事で気づいた方もおられるかと思いますが、介護タクシーというと、タクシー運転手と同様に仕事内容はお客様を目的地へ送る(場合によっては向かいに行く)ことが仕事だと思われがちですが、以上で紹介したように仕事内容は運ぶだけでありません。

必要であれば、介助をします。いや、ほとんど介助をしています。そして、介助だけでなく、色々な気遣いなども必要になってきます。

介護タクシーの開業相談の中でよく勘違いされているのが、「単にお客さんを目的地まで運ぶこと」が介護タクシーの仕事だと思われます。

それだけではないということをよく理解していただいた上で開業の準備に向かっていただければ幸いです。

 


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つよっさん

つよっさん

1976年、兵庫県豊岡市生まれ。介護タクシー「さくら搬送サービス」代表。バルーンパフォーマーとしての活動も行っており、ブライダルの演出なども手がける。現在、介護タクシーで起業したい人、起業したが事業をうまく軌道に乗せられない人向けの開業サポートも行っている。

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