2020/01/22

【料金設定は自由にできない?】介護タクシーの運賃の決め方

 

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皆さんはタクシー運賃について考えたことがありますか?

一般的に会社が違うことによって料金体系が違うことはもちろんですが、運輸局の公示の中でも記されているように、「適用する運賃適用地域」「車種区分」によっても料金が違うのです。

では、ここで適用地域と車種区分について簡単に説明したいと思います。

  • 運賃適用地域とは、市町村よりもう少し広い範囲、例えば私の住む地域でしたら、兵庫県の香美町という区分ではなく、兵庫県北部というざっくりとした地域で示されていたりします。(詳しくはそれぞれの地方運輸局の運賃関係の公示をご覧ください)
  • 車種区分とは、「特定大型車」「大型車」「中型車」「小型車」という区分で、車両の大きさにより分けられています。基本的にはこの4区分ですが、地域によって区分の仕方が違ってくることもあるので、これも同じように地方運輸局の運賃関係の公示をご覧いただければと思います。

こうやってみると、運賃は自由に決めれるというより、ある程度の基準等が設けられているということがおわかりになったかと思います。ただし、完全に縛られていると全てがそうではなく、状況等に応じて緩和化されている部分もあるということのようです。

それでは、私が運営する介護タクシーでも料金設定というのは決まっているのでしょうか?

 

介護タクシーでも料金は決まっている?

まず、介護タクシーは正式名称ではなく、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉限定)といい、国土交通省の地方運輸局の管轄にあります。

【意外と知らない】介護タクシーと福祉タクシーの違いってなに?

そこで開業に必要な申請書を出し、経営許可をもらってから初めて開業という形になるわけですが、それだけではなく、「運賃認可申請」というものを出し、運賃の認可をしてもらわなくてはいけません。

つまり、経営許可は出ているけど、運賃の認可をうけていなければ、お客さんから料金を収受するような実質的な営業はできないということです。

そして、料金設定のことですが、こちらも前項で書いたように一般タクシー同様に好き勝手に運賃を決めれるわけではありません。

自分で起業したのだから、運賃は自由に決めれるかというとそうではないんですね。

ただし、介助料金や器材利用料などをあらかじめ決めておいて、それをサービス料としていただく場合には、通常、運輸局の制約等がありません。(明記しておく必要はあります)

運賃認可申請の手続きやメーター器の設置は大変?

先ほども述べたように、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉限定)は運賃認可申請をして認可をいただくまでは料金を収受するような営業をしてはいけません。それは経営許可証が出ている場合でもです。

地方運輸局によって運賃認可申請書を出すタイミングは違ってくるのが現状で、例えば、近畿運輸局でしたら経営許可申請書と同時に運賃認可申請も提出できますが、九州運輸局は経営許可申請書を提出し、許可証が出ないと運賃認可申請をすることができません。ちなみに運賃認可申請書の申請を提出してから認可が出るまで一ヶ月くらいはかかるようです。

  • 地方によって運賃認可申請書を出すタイミングが違う
  • 運賃認可申請書を提出してから認可が出るまでは一ヶ月程度

ここで一つポイントがあり、運賃認可申請書を運輸局に出す際に自分の車種区分が大型だったとします。その場合に大型の区分だけの運賃認可申請をするのではなく、中型や小型もついでにしておくといいようです。(ただし、地方運輸局によって扱いが違う場合あり)

現在は、大型車両しか持っていなくても、いつか軽自動車を購入し、営業をしたいと思っている人なら同時に小型の運賃認可申請をしておくといいでしょう。

参考として、一般乗用旅客自動車運送事業(福祉限定)の運賃及び料金認可申請書の画像を添付しておきますので、よかったらご覧になってください。

 

一番最後は一度認可申請をして認可が出たのですが、運賃及び料金を変更したのでその際の申請書です。

 

タクシーの運賃と言えば、タクシーメーターを想像される人も多いかと思います。

介護タクシーは絶対にメーターを付けなければいけない規定はありません。したがって、事業者さんによってはメーターを付けずに時間制料金のみで営業をされているところもあります。

過去に僕自身も小型車に限ってはメーターを付けずに時間制料金のみで営業していたことがあります。

このメーターの中にはチップが入っており、専門の業者さんに取り付けてもらう必要があり、さらに年に一度メーターの検査を受けなければいけません。だいたいこの時の費用が3,000円程度、そして所要時間は10分程度です。

これから開業される方は、出来ればメーターを取り付けておくほうが僕の経験上、いいかと思います。

運賃表の例

ここでは、どのようにして運賃を決めれば良いのか当社が申請した近畿運輸局を例にして説明をしていきます。

まず、地方運輸局のサイトにいきます。(注:リンク先は近畿運輸局です)

6番の自動認可運賃についてをクリックします。そうすると、運賃適用地域の一覧が出てくるので、自分の事業所の地域を探します。

当社でしたら、美方郡に事業所があるので、「兵庫北部地区」が運賃適用地域となります。

それが確認できたら11番の「一般乗用旅客自動車運送事業の車種区分について」をクリックすると、画像のようなページになります。

下にスクロールをしていくと、「運賃適用地域」で自分の地域を探します。当社でしたら兵庫北部地区となります。

そこで自分の車種区分がどれにあたるのかを確認します。

画像の車種区分の中には、上限運賃、B運賃、C運賃、D運賃、下限運賃とあります。(地域によって様々ですのでご確認ください。)

上限運賃〜下限運賃の中から運賃を決めるようにしてください。

このように運賃適用地域、車両区分、上限〜下限によって運賃及び料金が違ってきます。

 

まとめ

ここまで運賃及び料金について説明をしてきました。

ここで説明したことのポイントを挙げさせていただきます。

  • 「適用する運賃適用地域」「車種区分」によっても料金が違う
  • 運賃の認可をうけていなければ、お客さんから料金を収受するような実質的な営業はできない
  • 地方運輸局によって運賃認可申請書を出すタイミングが違う
  • 運賃認可申請書を提出してから認可が出るまでは一ヶ月程度の期間が必要
  • 運賃認可申請を出す際は、可能であれば全車種の申請をしておくと良い
  • メーター器設置は義務ではない

これらのポイントを見ながら運賃の設定に向かっていただければいいかと思います。

今回、運賃の記事ですので、お客さんに料金の問い合わせをされた際に簡単に料金の概算ができる方法があるので、少し紹介をさせていただきます。

運賃の求め方は下記のとおりです。

(乗車距離ー初乗り距離)÷加算運賃の距離×加算運賃+初乗り運賃=運賃(概算)

当社の例

当社の初乗り運賃1.3km640円、加算運賃は209m走行すると80円加算。

お客さんを乗せる乗車距離が29kmだったとしましょう。

それらを元に計算してみると、こんな感じになります。

(29000mー1300m)÷209m×80円+640円=11242円となります。

したがって、概ね11300円くらいの料金になりますが、この際にお客さんには11500円くらいと言います。

当社の介護タクシー開業支援の中でも、こういった料金設定の説明、どのように料金を決めるかを指導していっています。そのほかにも、あらかじめ最寄りの病院等を移送した際の料金表を作成しておくことによって、お客さんから依頼があったさいにすぐに料金の概算を伝えることができます。この料金表も支援の中で作っていきます。

今回の記事は結構ボリュームがあったかとは思いますが、開業支援で気になった方はいつでもご相談ください。

初回は無料でご相談に乗ることができます。


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