なぜ介護タクシーを経営しながら、独立開業支援の仕事をしているのか
僕は平成21年7月に兵庫県の香美町で介護タクシーを開業しました。
その際、自分で申請等をしようと準備をすすめていたのですが、介護タクシー開業の支援をしているところがあり、そこにお世話になろうと思いました。
理由は、初めての起業でしたので、申請とノウハウを教えてくれるだろうという期待をしたからです。
そこで支払う費用は60万円。
車両代の次に大きな費用となったのですが、色々な知識を教えてもらえるならという思いでそこに依頼をしました。
介護タクシー開業前に抱えた不安
ほとんど不安はなかったような気はするのですが、初めてのことですから、まずはメールをしてみようと思い、支援会社にメールをしました。その時の内容は下記の通りです。
【ご意見ご要望をお聞かせください。】
現在指定自動車教習所で指導員をしています今西と言います。
運転に関しては運転のプロを育成する立場でもあるので問題はないと思えます。(免許は大特二種、牽引二種以外全て取得済み)
しかし、介護の経験は全くのゼロです。
僕が住む香美町は、地域のバス路線が大幅に縮小されたり、公共交通の便が悪く、高齢者にとっては痛手となる状況です。
そんな中で僕が香美町で一番最初にこの業種になりたいと希望します。
いろいろ聞いてみると一人ではこの仕事はできないとかいろいろ言われたりするのですが実際どのように事を進めていけば全くわかりません。とりあえず今の仕事をしながら少しでも進めて行きたい気もあるのですが、まずは簡単な話だけを聞かせてほしいと思います。2009年1月23日(Fri) 19:29
この記事を書くために久しぶりにこのメールを見たのですが、胸にグッとくるものがありました(笑)
自分の経験、状況、地域の現状、地域でどういう存在でいたいのか、そして、相手に対しての要望を書いています。
この時には介護タクシーをするということを決めていたように思います。
ただ、この支援会社を通じて開業するかどうかを悩んでいたのでしょう。
メールを送ると、次のような返信がきました。
メールご意見頂戴いたしまして、ありがとうございました。運転に心配がなければ何も問題はございません。ご心配の介護(介助)たずさわる上で注意を頂く点もございますが、何度か回をかさねて頂くなかですぐプロになられるとおもいます。この事業は国土交通省窓口各地域の運輸局へ申請いたしまして、法令テストの合格をもって約 3ヶ月で開業となります。運輸局への申請の代行、法令テスト合格の為のセミナー開業講習や側乗研修等介護タクシー事業開始から色々な面でサポートをさせて頂きます。(開業後もわからない点いつでも◯◯を利用下さい。)はじめられる時はお一人ですがすぐ、お二人目は続くと思います。どこの地域でも初めの開業者はそれなりの労苦もございますが、充分にやりがいもございますし、ありがとうのお言葉とお金を一緒にいただける仕事ですから。お時間がございましたら一度ご来社頂ければと思います。今西様のご都合を電話にてお知らせください。ご説明できる者がお待ちします。説明 見学会 2/7(土)2/21(土)午後1時~介護タクシー開業の説明と車両見学等の内容です。ご都合会いましたら是非。参加予約・問合せは下記まで2009年1月26日(Mon) 16:31
相談時の電話の対応と会った時のギャップ
人は事前の期待を下回ると一気に信用を失う。
電話の方の対応が大変良かっただけに、めちゃくちゃ期待をしていったのですが、「休みやねん」と言い放った方とのギャップが大きく、同じ職員でもこんなに違うものかと一気に信用を失ってしまいました。
そして、「60万という大金を払ったのに、本当に大丈夫なのか。。。」という不安がとても大きくなってきたのです。
この不安は介護タクシーでの起業の不安ではなく、その支援業者にまかせて大丈夫なのかという不安です。
当日は、申請についての説明を1時間ほどしてもらったのですが、また別の日に違う人が担当するから来てほしいと言われました。
この初回の時点で相当な信用を失っているので、二回目の支援には正直行きたくないという気持ちになりました。
ただ、支払いもしてしまったので、しょうがなく二回目の支援に行くことになったのです。
介護タクシーに必要な知識と技術の資料。
二回目の支援の際には、僕と同じときに開業される方が二人おられました。
今では全く連絡を取ることもないのですが。。。
30ページに及ぶ開業前の資料をいただいたのですが、そのうちの14ページくらいは車椅子のカタログ的なものと僕には一切関係のないチケットの内容。
そして、6ページくらいは車椅子の技術的な資料だったのですが、それもどこかの資料からコピーしたようなもの。。。
法令試験対策もしてもらい、担当の方がわかりやすく説明をしてくれました。
運転技能に関しては、僕が自動車教習所の先生という情報を知っておられたので、担当された方がとても緊張しておられました(笑)
この支援会社の支援内容を考えると、ウェブサイトに書いてあるような内容ではなく、全体的にもっとボリュームが欲しかったというのが当時の感想であり、今でもそのことを覚えています。
介護タクシーの経営方法やノウハウは常に少しずつ変化をしている
介護タクシーのノウハウなんていうのは、少しずつ変わって来ています。
ずっと同じ方法でしていても、時代についていけなくなります。
僕が介護タクシーを開業した2009年。
習った営業方法を参考にして、電話帳の広告に年間10万くらいかけていました。
当時はスマートフォンがなく、ネットがあったとしても家のパソコンで見る程度でした。
ですから、お客さんは基本的に電話帳や広告という紙媒体を元に情報を仕入れ、介護タクシーの依頼をしてこられました。
しかし、今はそんな時代じゃありません。
スマートフォンが普及し、多くの利用者さんのご家族さんが外出先でインターネットを活用する時代になっているのです。
その際にどんなことをイメージしてお客さんが検索するか。
例えば、土地勘がないお客さんなら「地域名 介護タクシー」と検索されるでしょう。
その際に、Googleなどで上位表示されなければ、または表示されたとしても電話番号だけで企業情報が一切なければ、そのお客さんの中では存在しない会社として扱われるかもしれません。
だから、僕の開業支援では「ネットでの営業・集客」と題してノウハウを伝えています。
もう少し細かいことを言うと、一度利用していただいたお客さんは、電話番号を登録されることがあります。
そうすると、スマートフォンを持っているご家族さんはLINEから依頼の相談をされることもあるのです。
今から8年前の2009年ではそんなことがありませんでした。
つまり、時代の背景にあった営業方法をきちんと考えておかないと、どんどん淘汰されていくのです。
こういったことに気づくか気づかないか、数字で大きな差が出てきます。
病院の先生や施設のお偉いさんをよく知っているからうちは安泰だという業者さんもいました。
しかし、そういった人たちより実際に困っている利用者さんやその家族に向けた情報や思いを発信した方が良いと思うのです。
その情報発信として、ブログやSNSを活用するんです。
介護タクシーをしている業者さんで僕ほどブログやSNSを活用している人はほとんどいないでしょう。
でも、こういった発信っていうのは、僕のことを何も知らない人からすると「情報」になるのです。
この情報発信は「どんな人が経営しているんだろう」「どんな思いを持った運転手なんだろう」とお客さんの不安を解消するためでもあります。
負の経験を生かし、次の起業者へ継ぐ。
僕が現在、介護タクシーを経営しながら、介護タクシーの開業支援の仕事をしている理由は、開業当時、「介護タクシーを経営するのに必要な知識や技術を徹底的に教えてくれるところがあったらいいのにな」という思いがあったからです。
お世話になった開業支援の業者さんは、「介護タクシーのノウハウ」というよりも「開業への準備と申請」という感じでした。
もっと現場での対応や開業してからのサポートがあれば、良かったのかもしれません。
介護タクシーでスムーズに開業しようと思えば、独学で手探りでするより、「既に開業している同業者」から教えてもらうのが一番の有効手段と言えます。
ただし、介護タクシーのノウハウを簡単に教えてくれる業者さんはいないでしょう。
なぜなら、仲間でもあり、ライバルにでもなるからです。
介護タクシーを経営している僕だからこそ、リアルに伝えれる情報やノウハウが豊富にありますし、開業後も支援者と一緒にコミュニティを築いていくことが僕の役割だと思っています。
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