介護タクシーのお客さんはインクが欲しいのではなく、インクを買う体験がしたいのです。

介護タクシーの仕事をしていると、様々な人と出会い、様々な気づきを与えてもらえます。
気づきを感じるか、感じないかはその運転手によりますが、僕は常にそういったことを意識しているので、お金をもらいながら学ばせていただいていると思っています。
今回のブログは、過去に介護タクシーを使ってくださった方でハッと気づかされたことをお伝えしていきます。
インクを買うために10,000円の運賃を払う。
あるお客さんから依頼があった時のことです。
その方は車椅子を利用されている方で、一人暮らしをされています。
お連れする先は、某ホームセンター。
お客さんをリフトから降ろして、一緒にホームセンターに入って行きました。
連れて行って欲しいと指示された場所はインク売り場。
そこで、指定のインクと用紙を選び、レジに向かいました。
合計金額は4,000円くらいだったでしょうか。
購入したものを持ち、介護タクシーに乗り込み、また家まで帰りました。
その時の運賃は、約10,000円。
購入したインクの2、5倍です。
儲けもいいが、お客さんにとってどの手段がいいのか考えてみた。
こういった買い物の移送を2回ほどしたので、お客さんに提案をしてみました。
「いつも使っていただけるのですが、パソコンでネット通販というものがあり、その方法で購入すると配送料はかかりますが、
運賃ほどはいらないのでそちらを利用してみてはいかがでしょうか?」と。
すると、パソコンを上手く使うことができないことを言われたので、こう提案をしてみました。
「僕がお客さんから品番を聞いて、代わりに品物を購入して、代引きで送ってもらったらどうですか」
そのことを伝えると、お客さんは少し笑顔になり、
「買い物に行くのも楽しみの一つです」と言われたのです。
お客さんにとって、私たちがしている当たり前の動作が価値となっている
僕は買い物に行くことは楽しみの一つです。
買い物に行く時には、自分で運転して、商品を選んで、お金を払って、また家に帰る、とても当たり前の動作です。
お客さんにとっては、その一連の動作というものがとても価値になっているんじゃないのかなって思っています。
インクが欲しいだけなら、Amazonやネット通販で購入されるでしょう。
しかし、僕の提案を断って、自分で買いに行きたいということですから、
お客さんは単にインクが欲しいのではなく、インクを買いに行く体験をしたいのだということです。
自分の提案は間違っていなかった。
お客さんの運賃節約のためと思い、ネット通販での購入をすすめましたが、最終的には自分でお店に行き、購入する方法を選択されました。
かと言って、自分の提案は全く間違っていなかったと思います。
自分でいうのもあつかましいですが、それだけお客さんに寄り添った対応をしたわけですし、色々な選択肢があったほうがいいと思うのです。
私たちの普段の生活は、色々な選択肢の中から決めるということを当たり前にしています。
ホームセンターに行き自分で購入するのか、ネットで気軽に購入できる環境にあるのか。
お客さんにとっては、一つから二つに選択肢が増えたことで、生活の質が向上し、少しでも楽しい生活を送っていただければと思っています。
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